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発想力を刺激する YOMIKO TREND REPORT

YOMIKOカレンダー2012「元気の本(もと)」ができるまで

中川 雄介 クリエイティブ局 関西CRルーム プランナー

※執筆者の所属部署・役職名は執筆当時のものです。

2012年の意味 関西の意味

今回初めてYOMIKOカレンダーを関西CRルームのメンバーでつくることになり、YOMIKOを象徴するプロダクトの制作に携わる嬉しさと同時に、僕には少し迷いもありました。

2012年のカレンダーのテーマを考えるとき、意識せざるをえない東日本大震災。

東日本が甚大な被害を受け、日本中が悲しみに覆われたことは間違いありませんが、関西は震災の被害も浅く、あたりまえの日常を奪われることなく生活ができていました。そんな関西が、カレンダーというプロダクトを通して届けられるものは何だろう。メンバー3人で話し合い、「せっかく関西でやるんだから、関西でやる意味のあるものにしよう。西から東を見つめて出来ることがあるはず。」という思いで企画がはじまりました。

日本中が元気を失くした2011年だったからこそ、2012年に届けたいのはやっぱり元気。新しいカレンダーを前にしたとき「明日も頑張ろう!」と元気が出る、そんな『明日の力になる』カレンダーを目指しました。

左から 関西CRルーム プランナー中川雄介/CD長田努/プランナー竹井英雅

左から 関西CRルーム プランナー中川雄介/CD長田努/プランナー竹井英雅

企画を進める中で忘れてはいけないもうひとつの要素が、「エコを楽しむ」という視点。

YOMIKOカレンダーの伝統になりつつあるこの要素を入れながら、使う人の元気につながるカレンダーをつくりたい。たくさんの企画が出る中、「読むと元気が出る本」を毎月1冊ずつ紹介していき、カレンダーとして使い終わった後は栞つきのブックカバーに再利用できる、そんな「元気の本(もと)」カレンダーの企画が固まっていきました。

さらに、中田社長から「各出版社に“元気になる本”を推薦してもらおう」というアイデアをいただき、この企画により一層の厚みと意義が生まれました。

そして実製作へ

ジャンルや内容が重複しても調整できるよう、各出版社の方には数冊の本を推薦していただきました。

12ヶ月(12社)分の候補書籍を、3人のメンバーでせっせと読みまくり、12冊に絞り込みました。あとはどの本を何月に載せるのか。これはもうパズルのような作業です。季節感やジャンルのばらつきなどを考えながら、「配置」していきました。

12冊が決まると、再びそれぞれを熟読し直し、本の内容に沿った栞のモチーフや休祝日のマークを考えていきました。
キャッチコピーは、本の内容を象徴していて、なおかつその本を読んでいない人でも言葉だけで前向きな気持ちになれるようなものを心がけました。エコの視点から、今回のカレンダーは間伐材から作った「エコ間伐紙」を使ったのですが、これがデザインの上でも功を奏し、味のある独特の色合いのカレンダーになりました。

つながりがなければ生まれなかった

「元気になる本」の推薦、選定にあたっては、ご推薦いただいた出版社の皆様はもちろん、博報堂DYメディアパートナーズ雑誌局の皆様ほか、本社の関連スタッフ、たくさんの方々にご尽力いただきました。YOMIKOカレンダーにこんなにもたくさんの人が関わったのは初めてだったのではないでしょうか。

東京と大阪のつながり。

HDYグループのつながり。

YOMIKOと出版社の方々とのつながり。

多くの方々の協力や連携がなければ絶対に完成しないカレンダーでした。人との絆やつながりが再評価されている今日ですが、僕の場合は今回のカレンダー制作でそれを痛感することになりました。

本当にありがとうございました。

追記:すばらしきボツ案たち

 「元気の本(もと)」カレンダーに決まるまでに、たくさんのアイデアが生まれては散っていきました。(毎年のことだとは思いますが。)「元気の本(もと)」のほか、僕たちのチームで特に「おもしろそう」と盛り上がったのは「星空カレンダー」と「てぬぐいカレンダー」。

「星空カレンダー」は、夜空のカレンダーの上に、蓄光インクで星を付け、夜に電気を消すと星空が見える、という「節電を楽しむカレンダー」の案でした。「てぬぐいカレンダー」は、文字通りカレンダーが刷られたてぬぐいで、カレンダーとして使った後は、てぬぐいとして再利用できるというものでした。

カレンダーの基本機能としての視認性や使いやすさ、サイズなどさまざまな縛りと向き合いながら企画をブラッシュアップする作業は、広告の制作にも通じるものがあり、難しさも面白さもありました。