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発想力を刺激する YOMIKO TREND REPORT

面白いこと・仲間・インターネットが大好きな中国人

重松 俊範 Toshinori Shigematu 読売広告社 上海支社 副社長兼クリエイティブディレクター兼プランナー

※執筆者の所属部署・役職名は執筆当時のものです。

読売広告社の上海支社である読広大広(上海)広告有限公司は2007年に設立されました。2012年4月に何度目かの事務所移転をしたこの機会に、中国の最新広告事情を少しだけ書かせていただこうと思います。

ウッドと白をベースにしたシンプルなデザイン。40名程度座れるオフィス。

1、中国には2012年現在、5億人以上のインターネットユーザーがいます。そして彼らの、家族と一緒の時間を過ごすよりも、友達と外で遊ぶよりも、会社でも家でもインターネット!という傾向は、こんな風刺インスタレーションにもなっています。

アウトドアロータスインスタレーション

実際のいくつかの家族の写真をもとにそっくりな人形を作り、それをキーボードに見立てたガラスのケースに入れ、大都市の駅などの人が集まるところで風刺的に展示。2012年ADFESTアウトドアロータス受賞。

2、残念ながら、日本の多くの中国関連の本には「中国人はすぐ裏切る」とまことしやかに書かれています(これを読んでいる中国人の方がいらっしゃったらすみません。)。筆者は中国に7年住んでいますが、もちろんそういった事例は確かに聞いたことがあります。ただしこれは中国人の一面しか言い当てていません。実は中国人は“仲間”になると、日本人同士以上に仲良くなるし、お互いをとても信頼しあうのです。彼らは同僚同士、友達同士、家族同士、時に羨ましくなるくらい仲がいいのです。

微博(ウェィボー)

3、では、インターネットと“仲間”が大好きな中国人にイチバン流行っているものは何でしょう?それは、中国の短文投稿SNS「微博(ウェィボー)」です。彼らは常に色々な面白いものや、自分が何をしているかを発信し、仲間と常にシェアしているのです。微博(ウェィボー)には、現在3億人以上のユーザーがいます。一番フォロワーがいるタレントは姚晨さんで、なんと1,800万人。(日本のTwitter最多フォロワーは孫正義さんで約160万人。)

上記より、プロモーションのターゲットとしての中国人の行動特性として、【面白いことやお得なことがあると、大好きな微博で大好きな仲間にシェアしまくる】ということが言えます。

インターネット&仲間を大切にする中国人の特性を生かしたプロモーション事例紹介
リプトン紅茶キャンペーン
ホームページで紅茶をプレゼントしたい友達の住所を書くと、そこに本当に淹れたての紅茶を送り届けてくれるキャンペーン。友達や家族同士でリプトンを送りあった。
Media Market
中国語では、髪を「切る」と値段を「下げる」は似た発音。文字通り髪を店頭で切れば値段が割引きになる。この情報が友達同士の間でも大いにシェアされた。
マクドナルド 男らしく行こう!キャンペーン
微博上で、超男らしいことを書くと、男らしいTシャツが貰えるキャンペーン。メディアフィーたったの40万円で成功させたキャンペーン。
また、面白いバイラルムービーが、友達同士でシェアされやすいということも、中国の特徴です。
BMW
中国奥地でミステリーサークルが発見される。ニュースなどで宇宙人の仕業かと騒がれたが、実はBMWの軽快な走りによって描かれていたという種明かしムービーが話題に。
Nokia
ブルース・リーのそっくりさんを起用して撮影。まるで昔の映像を利用して撮影したように編集。香港のプロモーションだが、監督は北京の人。大陸でもとても話題になった。
Supor
煙が出ないフライパンのインスタレーションプロモーション。煙突の上にアリエナイくらい大きな煙突を設置。多くの人が写真を撮って微博したり、ニュースで紹介されたりした。

下記は弊社の手がけた事例です。この場で2つだけご紹介いたします。

カルピス 初恋探偵所
インターネット上に仮想の探偵事務所を設置し、リアルにみんなの恋の実現をお手伝い。本気の告白シーンは見ものです!最終的には告白をお手伝いしてあげるという応募に、800人くらいから応募がありました。
ポカリ 徒競走on the wall
上海の目抜き通りに位置する百貨店の壁を雑技団からスカウトしてきた3選手が走る様子は圧巻です!この動画もたくさんシェアされ、多くのメディアに紹介されました。
重松 俊範 1978年生まれ
2001年読広入社、営業局・都市生活研究局(プランニング)を経て、2005年広州大広出向。
2007年読広大広(上海)広告有限公司を立上げ、現在は副社長兼クリエイティブディレクター兼プランナー。中国語HSK9級(通訳初級)。