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発想力を刺激する YOMIKO TREND REPORT

Anime Festival Asia SINGAPORE 2013 レポート

遠藤 輪香子 Endo Wakako 統合プロモーション局 第4ソリューションルーム アートディレクター

※執筆者の所属部署・役職名は執筆当時のものです。

「東南アジアで日本のアニメが熱い!」…実際のところは?

年々拡大するアニメ・マンガなどのコンテンツ市場。大企業もアニメ・マンガを用いたプロモーションを続々と実施、話題には事欠きません。しかし言い換えると市場は成熟・多様化の局面にあり、打てば当たる時代は終わりつつあります。

一方で、聞こえてくるのは東南アジアの勢いです。

「日本のアニメ・マンガは東南アジアで大人気!」「アニメで日本語を覚える人も多いとか?」

話には聞くけれど、どんな人たちが日本のアニメに熱狂しているんだろう。そこにはどんなビジネスチャンスがあるのか?これは実際に見てみなくては!そんな思いから、東南アジアの中心・シンガポールで開催される“Anime Festival Asia SINGAPORE 2013”を視察してきました。

Anime Festival Asiaとは

“Anime Festival Asia(以下AFA)”は、2008年に電通シンガポールを中心に日本のアニメ、マンガ、Jポップなどを紹介するイベントとしてスタートしました。2012年にはマレーシアとインドネシアでも同名のイベントを開催、3ヵ国の動員数は延べ16万人に達しています。

内容は、企業ブースでのグッズ販売や展示、コスプレイベントにトークショー、同人誌の販売や豪華アーティストによるアニソンライブなど盛りだくさん。近隣のマレーシア・インドネシアからの集客も多く、スポンサーの日本企業(特にエンタメ系)には東南アジア進出の大きな足掛かりとなっています。

Anime Festival Asia

会場は大盛況。本当に熱かった!

朝一番でAFA会場のサンテックシンガポール国際会議展示センターに向かうと、道中からそれらしき若者が続々と集まっています。会場に着くとチケット売り場には長蛇の列!入場しても企業ブースに列、列、列…。日本のコミケさながらのすごい熱気です。

会場

気になった企業ブースをいくつか挙げると、まずはNestlé Singaporeのメイド・執事カフェです。日本でのNestléのイメージを考えるとかなり大胆な施策ですが、メイドや執事に現地の著名ブロガーなどを起用したカフェは連日の大行列。かなりの効果がありそうでした。

■facebookページ 「AFA CAFE 13 - AFA 2013」
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.697958620221800.1073741827.150192868331714&type=1

TOYOTAのブースも印象的でした。オリジナル・アニメプロジェクトの映像展示にアプリ体験、キャラクターグッズのプレゼントや日本からアイドルを呼び寄せてのライブなど、とにかく豪華!本気度が伝わってきました。

■Tokyo Girls Update 記事
 「TOYOTA×STUDIO4℃ “PES” in AFA 2013 Singapore Ends in Great Success!」
http://tokyogirlsupdate.com/pes-afa2013-singapore-report-20131113468.html

Canonは、スタジオのような背景でプロのカメラマンがCanonのカメラとプリンタで撮影・プリントアウトしてくれるブースを展開。これは素晴らしいと思いました。なぜならコスプレイヤーたちはコスプレにハマればハマるほど、それを美しく残しておけるいいカメラが欲しくなるからです(コミケなどで見る日本のコスプレイヤーは、高価な一眼レフの所有率が高い!)。

■日経トレンディネット記事
 「アジア攻略のカギは「コスプレ」! 大手企業が海外フェスに続々出展する理由」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20131206/1053944/?ST=yahoo_headlines&P=3

シンガポールのアニメ・マンガファンはどんな人?

視察やヒアリングで分かった彼らのプロファイルとしては、年齢層はやはり若く10代半ば~20代前半。

小さい頃からNARUTOなどを見て育っており、ライト~ディープまでファンの度合いは様々。

アニメ・マンガ好きに対して「オタク」的なネガティブイメージはなく、同人活動やコスプレをしている人たちはおそらく高学歴・ある程度の高所得層(実際にAFAではみんな大きなショップバッグを抱え、購買力の高さを感じました)。日本語を少し話せる・読める人も。

今人気のアニメは?と聞くと「進撃の巨人」「ダンガンロンパ」「Free!」との回答が多数。これらは全て今年、2013年公開の日本でも大人気のアニメです。情報源は主にインターネットで、日本で放送されたアニメがインターネットで翌日には字幕付きで公開されているとのこと。タイムラグなく、日本と同じコンテンツが流行っていると考えてよさそうです。

ただ、傾向としてはいわゆる「萌え」「日常」系アニメより、ストーリーがしっかりしていたりアクション性のある作品が好まれている様子でした。

鉄は熱いうちに…

行ってみたら、本当に熱かった東南アジアのアニメ・マンガ市場。日本ではある意味で飽和状態にあるアニメ・マンガプロモーションの企画(例えば商品の美少女擬人化など)も、東南アジアではまだまだ供給不足だと感じました。下の動画はシンガポールのMicrosoftがInternet Explorerを擬人化した「藍澤 祈」のオリジナルアニメーション。AFAのお披露目ステージでは大喝采で迎えられ、Tシャツなどのグッズは連日完売でした。

■Anime Festival Asia Special Video - feat. Inori Aizawa
https://www.youtube.com/watch?v=BHTUlF7NA2o

また、東南アジアのアニメファンは日本以上にプロファイルがセグメントされている印象。彼らをざっくりくくると「若い」「高所得な」「インテリ層」。つまり消費の中心層!となると、アニメ・マンガプロモーションは彼ら消費の中心層に効率よくアプローチできる手段と言えそうです。熱気の中、「鉄は熱いうちに打たねば」と強く感じたAFA視察でした。