今回私は、表記研修にありがたくご指名をいただきアメリカ・ニューヨーク研修団に参加してきました。
研修スケジュールは9/28~10/6の延べ9日間。
参加者は、広告会社17社21名。20代から50代までの個性豊かなメンバーでした。
具体的な研修メニューとしては、米国広告業界の活性化を目的としたセミナーイベント「アドバタイジングウイーク」への参加、そして企業・団体訪問を行いました。
企業・団体訪問は、4A(日本で言うJAAA)、BBDO、Ogilvy One(オグルビーグループのデータマーケティング専門会社)、ウィーバー・シャンドウィック(急成長するPR会社)の4か所。NY中心エリアのタイムズスクエア界隈で開催されたアドバタイジングウイークでは、Facebook,dentsu AEGIS、CP+Bなど4つのセミナーを受けました。
眠らない街。タイムズスクエア
アドバタイジングウイーク
セミナー会場
各社選抜方法はまちまちですが、今回参加した団員は皆非常にモチベーションも高く、毎日朝から用意されたメニューに積極的に取り組んでいました。
Facebookのセミナーでは、今後さらに注目されるであろう動画コンテンツについて。
BBDO,CP+Bのセミナーでは、より高いレベルのアイデア、表現の重要性について、Ogilvy Oneでは、データの解析システムとその運用、そしてそのデータをベースにした表現事例、ウィーバーシャンドウィックでは、ソーシャルの進化に伴ったPR会社の非常に高い可能性について、4Aでは、1業種1社制によるビジネス機会の制約、ソーシャル台頭に伴う広告会社組織の変容、ビックデータの活用などアメリカ広告業界が直面する課題などについて非常に興味深い話をたくさん聞くことができ、さらには団員の多くから積極的に質問なども飛び交い、国を超えた同業種に身を置く人間として貴重な時間を共有することができました。
Facebookのセミナー
BBDO企業訪問でのプレゼンテーション
ニューヨークのオフィスは
どこもお洒落。*4Aのオフィス
研修団副団長として担当した、JAAA発行の研修報告冊子の表題はこうしました。
おそらく日本の数年先をいくであろう米国事情をうまく表わせている言葉だと思います。
近年日本においては“DATA”が急速に注目され、業界がそのデータで激変していくのではないかというある種の恐怖、不安もあったりはしますが、今回NYを体感し、それがまったくの杞憂であると確信しました。広告を中心としたコミュニケーションは、人の行動変容を促すメッセージなので、DATAはそのメッセージ、表現を開発する上での重要な資料にはなりますが、それだけでは機能しません。ターゲティングなどマーケティングの精度をあげるためにDATAを活用し、より“効く”アイデアを開発することが大切です。
その意味では、DATAとクリエイティブには重要な関係性があり、人間の心をつかむファクターとしては両方ともかかせない要素になるわけです。
FACEBOOKのセミナーでも使用された“左脳と右脳”
確かにアメリカの広告業界は日本より進んでいる。しかし、明解な違いはあまりない。
アメリカはアメリカで広告業界を取り巻く環境の急速な変化に必死で対応していくため、悩み、苦しんでいる。唯一はっきりしたのは、DATAやソーシャルだけで業界の根底が変わるということはないということ。それらは人の心をつかむためのひとつのツールであって、斬新なアイデアを発信し続けるという我々の基本ミッションは変わらない。
改めてアイデアなくして業界の発展、企業の存続はありえないということを確信しました。
また、今回の研修の副産物?として一緒に参加したメンバーと、美味しい食事をしたり飲みにいったり、セントラルパークを走ったり、オフ日にNY見学したり素晴らしい時間を過ごせたこと、そして、そのメンバー達と知り合えたことが、とても良い財産となりました。
研修団の仲間たち