NEWS RELEASE
2023.12.13
YOMIKO、バリアフリー視点を踏まえた 体験型の防災研修プログラムを開発 渋谷区の中学校にて体験授業を実施
株式会社読売広告社(本社:東京都港区、代表取締役社長:菊地英之、以下 YOMIKO)は、株式会社日建設計(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大松 敦、以下 日建設計)、三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田 俊、以下 三井不動産)と協働し、バリアフリー視点も踏まえた体験型の防災研修プログラムを開発。さる11月18日(土)に、渋谷の防災を考えるワークショップ形式の体験授業として広尾中学校(東京都渋谷区)にて本プログラムを実施しました。本授業は渋谷防災実行委員会による地域の防災力向上を目的としたイベント群「渋谷防災キャラバン」※にあわせて行われ、YOMIKOは、目的に応じた場所・形態の検討から中学校での実施に至るまでのプロジェクト推進、授業でのワークショップファシリテーションなどを行ないました。
■開催背景
1.本授業は3社が所属する【一般社団法人シブヤ・スマートシティ推進機構・安全・安心ワーキンググループ】の活動として実施されました。Accessibility Mapを用いたワークショップを通じ、防災に関する課題を地域の中学生やその家族と共有するとともに、今後の防災計画の策定などに資する情報収集・課題整理を目的としています。
2.YOMIKOは当事者意識を持って都市(まち)や地域にかかわる市民の「誇り」や「愛着」を表す「CIVIC PRIDE®(シビックプライド)※」についての研究、および「CIVIC PRIDE®」醸成に繋がる活動・コミュニケーションの開発を行なっています。その活動の一環として渋谷区とも区民意識調査などの業務を行なっており、このたび一歩踏み込んだ活動の場としてシブヤ・スマートシティ推進機構へ参画、地域の防災意識向上を通じた「CIVIC PRIDE®」の醸成を図る活動の開発を目的として、本授業に取り組むこととなりました。
※「シビックプライド/CivicPride」「CIVIC PRIDE」は、株式会社読売広告社の登録商標です。
■Accessibility Mapについて
Accessibility Mapとは、主に日建設計、日建設計総合研究所が中心となって開発した、Accessibility(多様な属性のヒト・モノ・情報の到達しやすさと定義)を可視化した地図です。避難を考えるにあたっては、ある時間でどこまで移動できるのか、を把握することは非常に重要です。避難方法には、徒歩・自転車・自動車など様々な手段があり、また一口に歩行者といってもベビーカーを押しながら歩く人、高齢者、車いす利用者などその属性や速度、加えて、移動経路の傾斜によっても到達範囲は大きく異なります。
そこで今回は、Accessibility Mapとして、車道・歩道のネットワークデータをベースに単位時間でどこまで到達できるのかを属性・速度別に表示させた到達圏マップ(図1)と、道路の勾配角度を表示させた勾配マップ(図2)を作成しました。また、それらのマップを活用しながら、生徒自身が街歩きをして得られた気づきを避難経路の歩行容易性を地図上に表現しました(図3)。
Accessibility Mapについては、最適な配送ルートの設定や様々な属性のヒトの観光ルートの設定など、災害時だけでなく平常時のまちづくりにおいても多様な活用が期待されます。

図1:到達圏マップ(健常者・高齢者・障がい者などの15分間での歩行圏を表現した地図)

図2:勾配マップ(道路の勾配を表現した地図)
■授業内容について
事前課題として生徒に中学校周辺地域を実際に歩いてもらい、災害時の避難経路として危険性がある場所、安全な場所、歩きやすい場所などをバリアフリー視点も加味して調査してもらいました。
授業では、事前課題で各自が調べた内容とAccessibility Mapをもとに班ごとで議論しひとつの地図に情報を集約、完成した地図をもとに発表を行い、様々な視点から地域の防災について意見を共有しました。
【バリアフリー視点×自身の体験×データ】を掛け合わせて検討し、生徒同士の対話を通じて、様々な生活者にとっての地域防災について、新たな気づきが得られるプログラムとなっています。


図3:避難経路マップ(避難経路の歩行容易性を表現した地図)