SPECIAL CONTENTS

これからの消費を牽引していく 令和リッチ研究 Part2

2023.07.25

はじめに

読売広告社 マーケットデザインセンターでは、コロナ禍においても活発な高額消費や、日本の富裕層の増加や多様化を受けて、昨年度に引き続き、20-40代の若年の富裕層に着目してきました。

<令和時代の消費をけん引する新たなリッチ層>研究 | 読売広告社 YOMIKO ADVERTISING INC.



 まず、私たちが着目する令和リッチ層とは、オールドリッチとは異なる新しい価値観を持つ多様化した富裕層であり、スタートアップからなる起業家リッチ/親の資産を引き継ぐ世襲リッチ/パワーカップルを超える世帯年収2,000万円以上の資金力を持つダブルエンジンの3つにカテゴリ分けができます。


さらに3つのカテゴリごとに

・ 起業家リッチは、柔軟な考え方と飽くなき成長欲を持つ、情報発信に積極的といった特徴を持つトレンドリーダー
・ 世襲リッチは、日本文化や家族の継承を大事にしつつ、自己アップデートの精神を忘れない、目に見える高級感より本物感
・ ダブルエンジンは、都心派・安定志向。ブランド志向が強い

といった特徴的なキャラクターも明らかになりました。


このように各カテゴリのキャラクターを明らかにした前年度に引き続き、今年度の研究では高額商材/一般商材を含めたマーケット全体における令和リッチ層の存在意義の深堀を焦点にしました。



■市場におけるイノベーターとしての令和リッチ

まず結論をお伝えすると、令和リッチ研究とは、単なる富裕層研究ではなく「市場を牽引するイノベーター研究」です。
今年度調査において令和リッチ層が、富裕層市場だけではなくマーケット全体における市場を牽引するイノベーターであるということが明らかになりました。

●特徴ある令和リッチのイノベーター特性3つ

① オールドリッチで所有が当たり前のものでさえもいち早くサブスク利用

しかも、それは単なる世代論ではなく令和リッチは若者と異なる特徴を持っている


マンションや自家用車といった従来のオールドリッチでは所有が当たり前のイメージがあるカテゴリについて、令和リッチ層において自家用車で22.0pt、マンションで20.0ptもサブスク利用意向が高いという結果が出ました。例えば車だと、令和リッチは家族形態や付き合う人によって自家用車を変えていくため、すぐに乗り換えられる機動力が重要だと考えているそうです。

そして、その特徴は単なる世代論ではないということも分かってきました。令和リッチはアルコール離れが叫ばれている若者と異なり、ビールやワインといったアルコールの消費も高くなっていました。


② 最先端商品を発見し、いち早く利用

令和リッチは賢い消費をしたいという意識が強く、生活から無駄をなくすために最先端のものを発見し、いち早く 利用しています。
例えばAIスピーカーを例に出すと、令和リッチの利用率が27.0%と、一般の20-40代に比べ11.0ptも高くなっていました。


③ 自ら行動し市場を開拓していくイノベーター的消費マインドの持ち主


令和リッチのイノベーター的傾向は消費マインドを見てみても明らかでした。

令和リッチは「常に新しい事や知らない分野に挑戦」「美容に関するアドバイスを周囲からよく求められる」「美味しい店を常に開拓している」といった項目で高いスコアになっており、このことからも令和リッチが自他ともに認めるイノベーター的消費マインドを持っているということが分かります。

このように、オリジナル調査より令和リッチ層の若者だから、富裕層だからだけでは説明のつかないような特徴があきらかになりました。私たちはさらに令和リッチ層を戦略ターゲットとして狙うべく、深堀を進めました。


●イノベーターとしての令和リッチ層、キーワードは“時間”

調査より、令和リッチ層の特徴において“時間”というキーワードが見えてきました。

というのも、令和リッチ層は徹底的に無駄な時間を嫌うのです。
ウィンドウショッピングをしない、タワーマンションを買わない理由はエレベーターの移動時間が無駄だから、朝時間がかからないように服は基本無地、などインタビューでもその片鱗が読み取れました。

その“時間”という軸でより深堀していくと、さらに重要なキーワードが見えてきました。


■令和リッチの思考基準は“信用”

●情報の発信元を重視する令和リッチ層 

若者が多くの時間を費やす代表と言えば、SNS。SNSの使い方に令和リッチ層の特徴を紐解く大きなカギがみられました。


LINE、Instagram、YouTube、Tiktokといった匿名性の高いメディアの利用率が令和リッチで20-40代平均よりも10pt前後低く、代わりにFacebookや新聞といった発信元が明らかな信用度の高いメディアの利用率が10pt以上も高かったのです。


また、令和リッチは「体験」「人との直接的な出会い」といったようなリアルな一次情報を重視するといったことも分かってきました。

令和リッチのもっとも重要な思考基準は「信用」なのです。
この「信用」軸を基準に令和リッチ層の様々な特徴的な行動が明らかになってきました。


●“信用”を重んじる令和リッチ層の特徴的な時間消費

さらに調査を読み解いていくと、自らの信用を重視する令和リッチ層ならではの特徴的な時間消費が見えてきました。

① 信用されるために自分の成長の糧になる時間(自己研鑽)を大切にする消費=カテ時間消費

② 信用されるために見た目や第一印象を大切にする消費=ウェルネス時間消費

このような特徴的な時間消費もすべて「信用」といった概念に沿って行われているのです。


■令和リッチはリッチ3.0=クレジットリッチ

これらの特徴をもつ令和リッチ層を、富裕層の変遷の考え方に当てはめてみます。
リッチ1.0からリッチ2.0への変遷は高級か?憧れられるか?といった他人基準のステイタス重視から、成長できるか?自分らしいか?といった自分基準の目利き重視に変わってきていました。

その次なる富裕層してYOMIKOが考えるのがリッチ3.0=クレジットリッチです。
クレジットリッチとは、自分と他人の関係性の中で「信用」を重視するといった特徴を持つリッチ層で、人に頼られるか?自分の信用貯金を積み上げられるか?といったことを重視します。


●市場を牽引する令和リッチ層

このような特徴をもつ令和リッチ層は市場を牽引するキーマンであるといっても過言ではありません。令和リッチ層が発信する情報は周囲からの信用や関心も高いと考えられるからです。

また彼ら/彼女らのSNS等でのつながり状況を見ても、そのフォロワーは同質なプロファイルを持った層、または彼ら/彼女らに憧れる高感度層となっています。
例えば起業家リッチであれば、同じ経営者の立場にある人々に加えて、それらのビジネスや起業に関心のある一般層などがネットワークを形成しています。そのようなネットワークの「核」となっている令和リッチ層にアプローチすることが、新たな市場を創造するための近道になると考えられます。



おわりに

消費者の価値観がどんどん多様化し、生活者が捉えにくくなっていきていると言われている現在。だからこそ、令和リッチ層は効率的に市場を創造することができるイノベーターとして注目に値するターゲットなのではないでしょうか。

令和リッチ研究では、高額商材/一般商材に関わらず多くの商品カテゴリについて調査を実施しているため、各ターゲットカテゴリの消費行動を詳しく把握することができ、 各企業様に合わせた実践的なマーケティングに活かすことも可能になっています。

読売広告社は、従来のターゲティングや戦略立案だけにとどまらず新規ビジネス・サービス開発や市場創造及び拡大にも携わるべく、研究を進めてまいります。

〈令和リッチ層研究チーム〉
マーケットデザインセンター:佐々木 崇秀、大塚 輝久、上野 涼、仲西 沙耶

本記事に関するお問い合わせは、下記よりお願いします。

仲西 沙耶

マーケットデザインセンター 第3マーケットデザインルーム

2022年読売広告社入社。マーケットデザインセンターにて、マーケティングを担当。 不動産をはじめ、エネルギー企業・アルコール飲料・商業施設などの業界において、コミュニケーション戦略設計、定量・定性調査、コンセプト策定などに従事。