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2024.02.14
Googleが主催する「YouTube Works Awards Japan 2023」において、当社が制作に携わった作品がGrand PrixおよびBreakthrough Advertiser部門賞をダブル受賞しました。今回、受賞作品の制作に携わったメディアビジネスプロデュース局兼テーマビジネスプロデュース局 三浦基彦と統合クリエイティブセンターの高橋尚睦に受賞につながったクリエイティビティやクライアントも含めたワンチームとしての信頼関係づくりについて語ってもらいました。
—— まずは今回の受賞、本当におめでとうございます。 今回の受賞をお二人はそれぞれ、どのように受け止めていますか?
三浦:当日まで受賞を一切聞かされておらず会場の発表で初めて知りました。部門賞を取って喜んでいたものの、正直グランプリを受賞できるとは考えていなかったので「まさか」といった驚きと「ただただ、嬉しい」という喜びがさらに込み上げてきました。
高橋:率直にとてもうれしいですね。本当に当日まで何も知らされていないので、部門賞だけでも驚きでしたが、グランプリの発表のとき、企業ロゴがもう一度会場に映し出されたときは本当にびっくりしました。
—— 明電舎の仕事はこれまでも賞を受賞していると思いますが、そのクリエイティビティはどのように生み出されているのでしょうか。
高橋 :明電舎に限らずですが「受け手に対する敬意」は自分なりに大切にしています。たとえば2分の動画を見てもらうことは、相手の人生から2分いただいているわけですよね。それにふさわしいものにできているか。2分を捧げた価値があったと思ってもらえるか、という意識は強く持つようにしています。
マーケティングの世界では時間をいただく相手のことを「ターゲット」と呼んだり、彼らを「攻略」するという言い方をしますよね。もちろんあくまで比喩ではあるんですけど、あまり発想をいい方向に持っていく言葉じゃないように感じます。
それよりも「プレゼントを贈る相手」くらいに考えたほうが、いいアイデアにつながるし、いい結果にもつながりやすい気がします。そういう意味で、クリエイティビティって、実際はホスピタリティにかなり近いものなのではと思います。
三浦: 僕が一番大事にしているのは、クライアントとスタッフの間をつなぐ単なるメッセン ジャーにならないように、クライアントが言葉にできていない課題や顕在化していないポイントを抽出し、言語化して齟齬なくスタッフに伝えるということです。
制作のクオリティに関しては、高橋さんなら「絶対、最高のものを作ってくれる」という信頼と確信があるので、クライアントが疑問に思っていること、不安に思っていることをしっかり傾聴し課題を言語化して伝えるように心がけています。
—— 受賞の背景には、明電舎さんとYOMIKOチームとの間に育まれた、強い信頼関係が大きいのではと思います。その信頼関係はどのようにして育ててきたのでしょうか?
三浦: クライアントとのコミュニケーションで普段から心がけているのは、目先のことだけではなく「御社の将来的なビジネス拡大に向けた投資をしませんか?」といった中長期の視点での議論もするように心がけています。今は顕在化していないかもしれませんが将来的にビジネス上の課題やリスクになるような点も踏まえつつ議論を重ねるようにしています。
また、クライアントの担当者の方が自社の課題や将来について相当の熱量を持って考えられているので、相談を受ける際はタイムリーかつスピード感を持った密なコミュニケーションを心がけています。いろんな営業のスタイルがあると思いますが、僕自身はどちらかというと寄り添い型のスタイルを強みとしています。
クライアントから「10分だけ話せる時間ある?」と言われて数時間になることもあります。「昨年、一番誰としゃべりましたか?」と聞かれたら、クライアントです、絶対に。(笑)でも、それだけ深い議論をするからこそお互いに納得できるものができますし、それがワンチームとしての信頼関係の強化にも繋がっていると思います。もちろん、高橋さんを始めスタッフの皆さんの協力も非常に大きいです。
高橋:とにかく「深く議論する」ということに尽きると思います。議論が深まらないと、いつの間にか再現性の高いものに流れてしまうんですよね。見たことのあるものや、すでに確立された方法とか。それはそれで説明がしやすいので楽ではあるんですけど、オリジナリティのあるアイデアからは遠ざかってしまうように思います。
そうではなくて、そもそもの目的や中長期的な構想から深く議論を交わすことで、その企業や商品にとって本当に必要な“オリジナルの目標設定”が自然と生まれてくると思います。そうなると、その目標に至るためのアイデアも、自ずとオリジナルなものになりやすい。
でも、オリジナリティの高いアイデアであるほど、人と共有することは簡単ではなくなってきますよね。だから遠回りなようでも言葉を尽くすことが大事で、企画アイデアだけじゃなくて、チームの共通言語ごと開発するような、そんな深い議論が何より大切だと思います。
—— 当社では「バディ制」という考え方で、ビジネスプロデューサーとスタッフが2人組になって得意先を攻めていこう!というスタイルが普及してきていますが、お二人の関係はまさにその「バディ制」そのものではと思いました。2人で組んで攻めるスタイルにどんな可能性を感じていますか?
高橋: バディ制、僕はすごく可能性感じています! もともとこういう動き方をしていた部分があったので、そのメリットにも実感値があります。
まず「部署と部署」の関係じゃなくて、「人と人」の関係で仕事が進んでいくので、大所帯で動くよりも問題の認識が精緻にできますし、そうすると提案の“芯食い度”も違いが生まれてきますよね。大会議室で投影されるレジュメよりも、営業から掛かってくる電話の声色の方が情報量が多いというか(笑)
その密度の高い関係性って、営業-スタッフ間だけじゃなくて、そのまま広告代理店-クライアント間にもあてはまると思うんですよね。少人数でテーブルを囲うと全員が当事者になって、クライアントも含めてワンチームになれる余白が生まれてくるという実感があります。
頭数が少ないと、見え方として営業的には不安な部分もあると思うんですが、その方が実はクライアントの発言回数も増えるし、議論も深まりやすい。そうなると、先ほどお話したような「チームならではの目標」も共有しやすくなるので、今自分たちがどこに進もうとしているのかが、クライアント含めクリアになりやすいんじゃないかと思います。
三浦:やはり小回りが利く点が良いですね。スタッフの皆さんもめちゃくちゃ忙しいと思うので、オールスタッフでクライアントとミーティングできればベストですが、そのための日程調整に時間のロスが生まれてしまいます。また大人数でミーティングを行なっても必ずそこに居るだけの人って存在します。
であれば、高橋さんはクリエイティブの責任者、僕はアカウントを守る責任者です、ということでクライアントと対峙した方が話は早いです。人数が少ないからこそ、クライアントも含めたチームとしての課題やゴールの共有と次のステップに向けたアクションに関してスピード感を持って対応できる点に魅力を感じますし今後も活用していきたいと思います。
受賞作品
■ Grand Prix
■ Breakthrough Advertiser部門賞
広告主:株式会社明電舎
広告会社:読売広告社
制作会社:太陽企画
題名:「電気よ、動詞になれ。」ピクセルアート篇
作品URL:https://www.youtube.com/watch?v=KbugdlChqV4
本記事に関するお問い合わせは、下記よりお願いします。
高橋 尚睦
統合クリエイティブセンター
クリエイティブディレクター/コピーライター
サッポロビール箱根駅伝「走れ、母のお腹を蹴っていたその足で。」 明電舎「電気よ、動詞になれ。」 東京シティ競馬「世界がいつかまた、騒がしくありますように。」 TCC 新人賞、ACC賞、広告電通賞金賞、日経広告賞最優秀賞など。
三浦 基彦
メディアビジネスプロデュース局兼テーマビジネスプロデュース局