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YOMIKOグループ各社トップに聞く 読広クリエイティブスタジオ AI時代のクリエイティブに必要なこととは?

2024.03.21

読広クリエイティブスタジオは、当社グループのクリエイティブ領域に特化した専門会社として2017年10月に設立。得意先ビジネスの成長に寄与するクリエイティブワークを目的とし、当社とワンチームで、映像制作・デザイン制作全般を担っています。近年ではデジタルを中心にこれまでの領域での高付加価値化に加え、統合ソリューションをめざして拡張を続けています。そして先日、当社グループサイトから独立した自社コーポレートサイトを立ち上げました。背景にある思いなど、読広クリエイティブスタジオの取締役社長の竹中に話を聞きました。

“強み”を生み出していける環境が最大の強み、 読広クリエイティブスタジオ。

― 読広クリエイティブスタジオ(以下、YCS)はどんな強みがありますか?

「YCSは映像制作とデザイン制作を主にしたクリエイティブ領域の制作会社ですが、独立系のプロダクションと違い、常にYOMIKOとワンチームで得意先課題に向き合います。距離の近さが生むコミュニケーションの速さや柔軟な対応力などのメリットはもちろん、『同じ目線』のパートナーであることが大きいと思います。
何が求められているのか、どう変わりたいのか、どれほどの熱量があるか、チームの一員として“志”を共有するために自然と目線が引き上がる環境だからこそ最適なクリエイティブが提案できるというのが強みだと思います。

映像・デザイン領域はどんどん広がって、境界線もなくなってきています。
例えば、デザイン制作では、設立当初はグラフィックデザインが中心でしたが、今は、モーショングラフィックス、3DCG、「場」のデザイン、サービスデザイン…など広告に限らずアートディレクションが必要なシーンが広がっています。ときに映像制作チームと協業するような重なる部分の業務も増えています。

「GAME CHANGEを、あざやかに。」読広クリエイティブスタジオの企み。

― 最近できたコーポレートサイトでは、「GAME CHANGEを、あざやかに。」をフィロソフィーに掲げています。その言葉に込めた思いは?

今は、『確かさ』を求めて、目に見えるもの、失敗しないものにしがみつきたくなる状況がありますね。でも、そこからは人の心や社会をひっくり返すような変革は生まれなくて。クリエイティブに身を置く自分たちだからこそ、責任と誇りを持って、鮮烈な変革に挑戦し、世の中をおもしろくしていきたいと思いました。YOMIKOグループのパーパスは「逆転劇であふれる世の中に。」ですが、共に叶えていくためにも“決めの一手”となり得るクリエイティビティを追求しようという思いを込めました。このフィロソフィーの実現に最も必要なのが、一人ひとり違う“色”を持ち、それを発揮させることだと思います。もともとYCSはみなキャリアもバックボーンも色々で、個の力が強めです (笑) 。 そして、一般的な会社員像と比較して、自立・自律しているメンバーが多いと感じます。

能力や志向性はもちろんですが、同じ事象でもみんな感じ方が違いますし、実現するために誰とつながるか、どの武器を使うのか、何にこだわるのか、すべてが個性だと思うので、社内外それぞれの色を掛け合わせて得意先ビジネスの成長にインパクトを与えられるような存在でありたいと思います。

― その思いを実現するために、組織として取り組んでいることなどあれば教えてください。

「一人ひとりの意志や個性を尊重しながら成長を支援したいと思い、今年度は2つの制度を新設しました。スキルアップしたいメンバーに機会を提供する研修バックアップ制度と賞のエントリーを会社として支援する受賞バックアップ制度です。
研修は会社の予算として考えると次世代の育成や次に拡張したい分野での情報収集など近視眼的になりがちですが、個人主体だと意外な領域での強化を考えていたり、世代に関係なく高いモチベーションを持っていたり、発見があります。
賞に関しては、これまでも担当した業務や本社クリエイティブとの共同チームで受賞をすることはありましたが、個人での応募が増えました。先日はJAC AWARD2023プロダクションマネージャー部門で種市美由紀が最終選考まで残ったんですが(惜しくもファイナリストで敗退!)、全員で応援し刺激を受けました。制度を活用してもらい、新しいクリエイター像を示すのにYCSも貢献できたらと願っています。

― サイトでは環境づくりにも注力していますね。

やはり、個を活かすためにも環境整備を重要視しています。
クリエイティブに関わる人間にとって、さまざまな体験を通してどんな人生観や社会課題意識を持つかが大事だと思いますし、心に余白がないとイノベーティブなアイデアは生み出せません。そのためにも、週1回のインプットデイ(自身の情報収集や知識習得にあてる日)や月1回のデトックスデイ(心身のリフレッシュをする日)を設け、メリハリのある働き方を促す声かけ運動も始めています。
クリエイティビティで勝負する会社として、自分らしく内面まで豊かにできる環境を提供し、社内外含めて、自分の人生と接続したくなる人間味のある会社に育っていったらいいなと思います。

― それを実現する経営スタイルまで一貫していると感じました。経営のこだわりは?

『オープンな経営』を心がけています。YCSでは、一人ひとりの色が輝く環境を全員で作ると宣言していますが、会社と社員、ベテランと若手、オフィス派とテレワーク派など、どちらかが強く偏っている関係ではなく、対等に意見交換をし、お互いにとってベストな働き方が実現できるようアップデート中です。
そういうオープンでフラットな組織運営から『自発性』が引き出され、これまでにないアイデアの提案が出てきたりするので、経営のことも情報をオープンにして、会社と個人の成長のためにどうすべきかを考えてもらっています。
まだまだ改善できていないことも多いですが、実験しながら変えていこうと、みんなで日々意見交換をしています。私自身もそれぞれの立場で支えられる存在でありたいと思っています。

― それぞれの立場で考える。竹中社長は今年度よりYCS社長に就任されましたが、どんなキャリアを歩んできたのでしょうか?

私は新卒で映像制作会社に入り、プロダクションマネージャーから社会人生活をスタートしています。いつか広告会社でクリエイティブディレクター(以下、CD)になりたいと思い続け、その後はグラフィック制作会社でコピーライターの修行をしました。20代最後にYOMIKOのクリエイティブ局(現在は統合クリエイティブセンター)に契約社員として入り込み、長い期間のCDを経て今に至りますが、今思えば、現在YCSでそれぞれの立場で何を求めているかを考えることができるのはこのような経歴を経たおかげとも言えますので、回り道ではなかったなと機会を与えてくださった方々や会社に感謝する日々です。
私自身がこのキャリアを活かし、経営が率先して一人ひとりの気持ちを尊重する立場を示すことで、『個』が発揮されやすい組織づくりを進めていけたらと考えています。

脱・制作会社!? AI時代のクリエイティブ戦略とは?

― 今後、AI時代のGAME CHANGEに向けてチャレンジしていきたいことは?

YCSは、アイデアや技術を駆使して、人の心を動かす“制作物”を生み出すプロダクションですが、制作自体は世界中の誰もが、瞬時に、無償で、できるようになっていきますね。でも、制作以前にYCSには“人の心を感じるセンス”に長けているクリエイターが揃っているのが真の強みだと思います。

プロデューサー陣は、“人の輪を広げて、不可能を可能にしていく実現力”があります。つまり一人ひとり異なる『意志』がある。この『意志』を持った個の<専門性>と<拡張性>の強化を図り、①まだ世の中にない0から1を生み出すこと②平均点のままの6や7を10以上にすること③そのためにAIも活用していくことを武器に、存在価値を発揮していきたいです。
さらに、前提や常識を覆すという意味では“制作会社”であることも捉え直していいのでは、と思っています。アウトプットまで担えるプロデュース力や創りだす人の価値をビジネスにつなげるチャレンジもしていきたいですね。

冒頭で、強みは『同じ目線』であることと言いましたが、この先はさらに専門性と拡張性の両軸を高めて『先の目線』や『違う目線』、化学反応を起こせる存在になれたらと思い、今、いくつかのプロジェクトを立ち上げ、取り組んでいるところです。
それはビジネスパートナーの挑戦や社会課題の解決、生活者の暮らしの質向上など私たちがめざすゴールのために必要なことではありますが、社員それぞれの得意領域をベースにしているので、スピード感を持って実現できるのではと思っています。これからのYCSにご期待ください。

― AIに期待することは?

競争力を高めるために、AIも含めて最新テクノロジーの知識は常にインプット・アウトプットする必要がありますし、AIに関してはどんどん新しい技術も試しています。
今年度は、YOMIKOと共同開発でAI動画生成ソリューション「aivon」も生みだしました。ですが、効率を上げるのか、クオリティを上げるのか、サービスを生み出すのか、チームによって目的が違うので、何を取り入れて取り入れないのか、意志を持って選ぶようにしています。これからは、どの部分がAIなのかもわからないほど共存していく時代になると思いますが、AIに限らずさまざまな技術を駆使した上で、まだない“色”で人の心を動かせたら理想的ですね。

取締役社長 竹中 愛

株式会社 読広クリエイティブスタジオ
広告に限定しない映像制作全般、デジタル・グラフィックを問わないデザイン制作全般を担う、クリエイティブ領域に特化した専門会社

所在地:〒107-6105 東京都港区赤坂5-2-20赤坂パークビル
ホームページ:https://yomikocreativestudio.co.jp/