YOMIKO STORIES

Path for Community Creation〜コミュニティクリエイションへの道〜(1)「コミュニティクリエイション®」で、みんなが幸せになれる「場」を創出する

YOMIKO独自の課題解決メソッドである「コミュニティクリエイション®」をどのように実践しているのか、4つの注力領域の担当者に、それぞれの実務の視点から語ってもらう「Path for Community Creation〜コミュニティクリエイションへの道〜」。
第1回は、ビジネスデベロップメント局の高木千と高橋比香理の2人に話を聞きました。

賑わいを創出し、“場”の価値向上につなげる

高木:私が属するビジネスデベロップメント局アセット&サービス開発推進部では、行政やデベロッパー・商業施設等が持っている都市や街・パブリックスペースなどの“場”に関わる業務を行っています。

主に“場”自体の創出やメディア開発、運用ルール、仕組みづくり、利用者の受け入れ事務局、行政対応業務など、賑わいの創出や場の利活用を目指す事業領域となります。

高橋:私は主にスマートシティのタウンマネジメントに従事しています。広告会社として、街のプロモーションやブランディングの戦略策定が主な業務です。

また、スマートシティという“場”を活用して、他の企業や組織と一緒に何か新しいことができないかという発想を出発点に、公民学連携での共創プロジェクトのプロデュースにも注力しています。現在は、街が育んできたエコシステムによって、ビジネスのR&D(研究開発)フェーズからPoC(概念実証・社会受容性検証)・社会実装・発信まで、企業が抱える課題に合わせてワンストップソリューションを提供するプログラムをクライアントと共同開発しています。

「コミュニティクリエイション®」が、今後より重要性を増す

高木:都市や街、商業施設等を開発するデベロッパーや、パブリックスペースを提供する自治体は、生活者との関係づくり、賑わいの創出、場による収益化が課題となっており、解決に向けた取り組みが始まっています。

このような変化は、コロナ禍の新しい生活様式で、街や施設に人が来なくなったことが大きな出来事だったと思います。ほとんどの物がインターネットを通じて購入できるので、商業施設の売上は減少しますし、人が来ないと賑わいも生まれない。そういうことを経て、デベロッパーや自治体も「変わらないといけない」という意識が強くなったと感じています。

高橋:さらに、個人の在り方やビジネスが多様化する中で、ひとつの組織だけでは解決できない課題を抱えているクライアントは多くいらっしゃいます。

社外の専門家や実践の場、推進力を求めているクライアントに対し、共創のための仕組み・機会・機能をご提供する「コミュニティクリエイション®」が、今後より重要になってくると感じています。

各ステークホルダーを有機的につなげ、新たな価値を創出する

高木:街のフェーズは常に変化していくものだと思っています。まずはハード主導で、デベロッパーが建物をつくる。そこに人を集めるというのは、広告会社のようなコミュニケーションのプロの領域です。そして、賑わいが生まれて、その場所に企業などがやってくると、今度は企業と街の人の橋渡しをする必要が出てくる。

このように、一口に街づくりといっても、立場の異なるさまざまな関係者が登場します。これらの関係者を有機的につなげ、価値創出のお手伝いをすることが我々の役割だと考えています。

高橋:現在は、あるスマートシティをさらに成長・発展させるためのプロジェクトを進めています。スマートシティインフラやデータプラットフォーム・実証エリア・コミュニティ等が整備され、街としての機能が拡充したタイミングで、これらのアセットを活用して何をやっていこうか、と。

スマートシティとして成熟し、これからの成長のあり方を考えていた段階の街に、YOMIKOの持っているクライアントネットワークから、この街の抱える課題感や将来のビジョンに共感してくれそうな企業をつなげるということを積極的に行っています。

高木:「コミュニティクリエイション®」は、YOMIKOも含めて、街や企業がそれぞれ育ててきたアセットがあるので、それらを持ち寄って、組み合わせて、新しい価値を生み出すということだと思います。さまざまなステークホルダーがチームになることで、ひとつの組織だけでは考えつかないようなアイデアが生まれることもあります。高橋も今、まさに新しいマッチングやインテグレーションを生み出してくれています。

高橋:高木をはじめ、諸先輩方が作ってくれてきたネットワークや場所、アセットを活用させてもらっているという感覚です。意識しているのは、それらの活用方法。どういう企業に、どういうアプローチをしたら、「コミュニティクリエイション®」につながるのか、チーム一丸となって向き合っています。

みんなが豊かになれるビジネスモデルを目指して

高橋:プロジェクトに参画することによって得られる直接的なメリットや組織の文化がステークホルダーによって異なるので、議論の中で使う言葉・倫理観にも差異があり、認識や意見にすれ違いが生まれることもあります。

その中でプロジェクトを前に進めるには、最終的に目指す大きなビジョンを共有し、理解し合っていく過程を根気よく共にしていくしかありません。全員が納得し共に成長できるプロジェクトでない限り本当の意味での共創とは言えないと考えています。

高木:高橋の話に加えて、街全体の根底にあるフィロソフィーが骨太なものであることも重要だと思います。議論が紛糾した時など、いつでもそこに立ち戻って来ることができるような旗印を立てること。時を経ても変わらないフィロソフィーが街にあるから、ビジョンを追求できるとも言えます。

高橋:そうです。ビジネスである以上は利益追求が大前提ですが、一者の利益を作るのではなく、街、住民、研究機関、自治体、企業のみんなに利益が出るプロジェクトでなくてはいけないと思います。

ビジネスサイドの利益ばかりを追い求めていないか、生活者が置き去りになっていないか、研究機関にとっても実りある結果が得られるかなど。綺麗事にならないように、みんなが「共成長」できるような、三方よしの関係を本気で目指しています。

高木:極論ですが、これまでの広告会社には、クライアント企業の商品が売れたらいいという時代もあったと思います。でも、今はみんなにとっていいことをやらないとダメだという前提があるように感じています。

私たちが進めている場の利活用や賑わいの創出も同じで、運営サイドの利益追求だけの場にはしない。遊びに来る人が楽しめる場でなくてはならないし、そんな場をプロデュースする私たち自身が、今まで以上に場に遊びに来る人と同じ感覚(生活者目線)を持つことが大切だと強く感じています。

「今日よりちょっと良い明日の暮らし」を共創したい

高橋:月並みですが、社会がより良くなるための仕事をしていきたいです。気候変動、食糧難、生活コストの上昇など、まわりを見渡すと課題だらけなのが今の時代だと感じます。

そこで、多様なステークホルダーの皆さんと、社会が抱える課題の解決につながるような「今日よりちょっと良い明日の暮らし」を共創したいですし、YOMIKOや私が、そのためのプロジェクトをプロデュース・実装できるよう努めたいと思います。

高木:都市や街の開発時からコンサルタントとして関わっていきたいと考えています。これまでのプロジェクトで培ってきた「運用の視点」と「利用者の視点」を生かして、生活者の視点を取り入れた、場の開発にチャレンジしたいと考えています。また、ビジネスデベロップメント局ならそれが可能であると信じています。

(写真左)高木 千 ビジネスデベロップメント局
(写真右)高橋 比香理 ビジネスデベロップメント局