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「柏の葉イノベーションフェス2023」イベントレポート トークセッション「共同体感覚とクリエイティビティ」とは【後編】

2024.02.21

公民学で連携し未来の課題解決型の街づくりを推進している柏の葉スマートシティにおいて、昨年10月に開催された、未来の都市とイノベーションを探るオンラインセッションとリアル体験イベント「柏の葉イノベーションフェス2023」。

プログラムのひとつである、柏の葉の街づくりに携わった様々なプレイヤーによるトークセッションの模様を前編に引き続きお届けします。

スピーカーは、三井不動産で柏の葉の街づくり推進を担当されている奥野雅也氏、過去に当社と柏の葉の物件プロモーション用のアニメーション動画を制作した際に監督を務められたYAMATOWORKS代表 アニメーション監督の森田修平氏、柏の葉のアートプロジェクトで様々な取り組みを推進されてきた柏の葉アーバンデザインセンター(以下UDCK)アート&コミュニケーション ディレクターの小山田裕彦氏、柏の葉の各種クリエイティブ制作を担当している当社 統合クリエイティブセンターの戸川の4名で、今回のイベント実行委員を担当している当社 統合クリエイティブセンターの大屋が進行役を務めました。

後編では、「共同体感覚のヴィジュアライズ」をテーマに当社が制作したブランドムービーやプロモーションムービーをもとに、都市とクリエイティビティの関係を紐解くことで柏の葉スマートシティの“これまで”と“これから”を語り合ったトークセッションの模様をお届けします。

■ 人とまちを共振させるヴィジュアライズと共同体感覚の関係

このブロックでは、公民学がお互いに影響し合いながら、イノベーションを起こしていく柏の葉スマートシティにおけるクリエイティビティの重要性とこれからの共同体感覚についてディスカッションを展開。まずは、まちのクリエイティブ全般を担当してきた当社の戸川から今年制作したブランドムービーと、過去にマンションのプロモーションで森田監督と制作したアニメーション動画についての解説とムービー作品を上映しました。

戸川:これは今年制作した柏の葉スマートシティのブランドムービーですが、ポイントとしては共創により、まちとビジネスがつながって新しいイノベーションを起こしていくということをコンセプトにして制作しました。どうぞご覧ください。

◆ 柏の葉ブランドムービー

戸川:柏の葉は、まちがどんどん更新され新しいものがたくさんできますし、今まで言えなかったことが言えるようになります。まちに技術や施設などが実装され、そのフィールドにプレイヤーが集まって、柏の葉で新しいイノベーションが生まれているということを何とか映像にしたいなと思って今言えることを映像化しました。

大屋:ありがとうございます。僕も制作に関わらせてもらいましたが、やはり言語化、映像化することで、今の柏の葉が目指している方向とか、そういうものが何かが明確になっていく気がすると感じました。

戸川:次に、過去に「柏の葉ゲートタワー」販売時のプロモーション用に制作したマンションのプロモーションムービーをご紹介します。当時、物件の広告を展開していましたが、まだ柏の葉という場所に対する知名度が低いということがありましたので、全く別の角度で、柏の葉というまちをマンション購入者以外の人も全然そういうことに興味がない人も、名前だけでも覚えてもらいましょうという狙いで、マンションがロボットになって動き出すというバズムービー的なアプローチが面白いじゃないかなというふうに考えて提案して採用いただきました。では、全3話をご覧ください。

◆『超機動街区 KASHIWA-NO-HA』第1~3話を公開

戸川:表現の狙いとしては、住民全体でまち作りをしていく際に、民意で動くことや、そのまちの人の意思で何かが動くまち、何かができるまちということを表現したいと思いました。重要なのは人とまちの新しい関係で、ただ住んでいるだけではなくて、建物やまちなどのハードに対してソフトという人がどんどん入ってきてそこで何かが起きる、ということを巨大マンションロボで表現しました。森田監督、いかがですか?

森田:そもそも住民全員がパイロットっていう設定はアニメではないんですよ。だいたいパイロットは1人なので、本件のお話をいただいたときに全員がパイロットという設定は面白いなと思いました。加えてマンションがロボットになるというのも前例もありませんでした。常に新しいことをしたくなる作り手側としては、新たなチャレンジとして、本作品を真剣に作りました。

大屋:民意で動く巨大マンションロボというアイデアが非常に面白くて、住民と一緒に作っていく共創する柏の葉スマートシティということの半ば象徴みたいな捉え方を僕はしているんですが、やはり一緒に影響し合いながらイノベーションを起こしていくまちということの重要性についてディスカッションできればと思います。小山田さん、ご感想いかがでしょうか?


小山田:私達がプロジェクトを通じて作ってきた情報がこのアニメーション映像の所々に出てきて大変感慨深かったです、ありがとうございます。感想はとにかくダイナミックな点が素晴らしいと思いました。

このまちはダイナミックなことを発信するっていうのが、当初からの考えとしてあったのでとても共感できました。加えて、共同体感覚ということがこのムービーにもたぶん込められている部分があるなと思いました。共同体感覚というワードは、実は今年のイベントのテーマにもなっています、当初、柏の葉を作るときにUDCK創設者からも出てきた言葉でもあるんです。その際に「アートでエンジンを作ってこのまちをみんなで共振させてくれ」ともおっしゃっていました。そういうインパクトだとか、そういうものがこのムービーにも非常に感じられました。

大屋:ありがとうございます。森田監督にも伺いたいのですが、このアニメーションは小山田さんからお話しいただいたように皆を共振させる何かの核になっているような映像だなと思いますが、何か演出で気にされたことなどございますか?

森田:この作品はマンションがロボットになるということが一番のポイントなので、それ以上の何か派手なものを表現するということは僕らの中には必要ありませんでした。作品中のまちの本当に小さな問題を解決しようという場面でも、まちの寛容さを表現する意味でも「あれを使ってジャンケンするの?」というアプローチで十分よいのでは、という話になりました。そのような表現のチャレンジは普段なかなかできないので、宇宙に飛んで行きそうな勢いでジャンケンするとか、そういうことは意識した気がしますね

奥野:柏の葉の特長を一言で表現すると、一貫したチャレンジに対する受容性や寛容性ということなのですが、結局みんなすごく気楽にポジティブにまちの取り組みに参加できるんだよ、とか自分たちの意見を、まちを使って発信できるんだよ、といったところをずっと一貫して、我々もいろんな形でPRしてブランディングしていこうと思いますが、今回のこのアニメに関しては本当にそれを面白くてかっこよく仕上げていただいているな、と思いました。

大屋:それでは、最後に皆さん本日のご感想をお願いします。

森田:今日はとても勉強になりましたし楽しかったです。皆さんと話している中で何かアニメ業界の課題も見つかるし、ある意味で何か本当に寛容でみんなが触れやすくするとか、何かそういうものがアニメの世界でも考えられるべきかと。もちろん技術も大切ですけどやっぱり人も大切で、何か両方リアルも大切なので、両方が上手くいけば良いなと思いました。ありがとうございました。

戸川:このまちは、たまに来ると今までなかったものがポンッと出来上がっていたり、どんどん進化する街だなと思いますのでまた何か新しい仕事をすることがあれば、いろいろご協力させていただきたいなと思いました。ありがとうございました。

小山田:本当に何もなかったところから始めて、僕らがやってきたことは、土地の記憶を作るプロジェクトをできるだけやろうということでした。記憶に残るプロジェクトができているまちだし、16年経って人もまちも育っています。これからも様々な活動をやっていってほしいなと今日改めて感じたところです。ありがとうございました。

奥野:小山田さんが企画された広場を使ったダイナミックなアートもしかりですし、本日見せていただいたロボットのアニメーションもそうですし、いろんなベクトルでチャレンジをするっていうことをこれからもやっていきたいですし、それをサポートしていきたいです。どんどんチャレンジし続けてこれからも柏の葉をいいまちにしていければなと改めて思いました。ありがとうございました。

大屋:僕も今回のトークセッション通じて、柏の葉がイノベーションを起こしているまちと改めて感じました。アーティストや映画監督だったり、様々なクリエイターの方々が関与はされているものの、実際にはここで活動されている住民の方々も含めてクリエイティビティあふれる人財が多く育っているんだなと思いますし、今後もそれが加速していくのではないかなと思いました。本日はありがとうございました。

(左から)大屋 翔平 戸川 進之介 森田 修平氏 小山田 裕彦氏 奥野 雅也氏

<登壇者プロフィール>

■三井不動産 柏の葉の街づくり推進部 奥野 雅也氏
2022年10月より柏の葉にて勤務。
三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドの運営など柏の葉のまちづくり実務を担う一方で、週末はホテルでのラウンジDJなどを通して現在でも年間50本程度の現場に出演。音楽好き/アート好きワーカーを体現している。

■YAMATOWORKS代表 アニメーション監督 森田 修平氏
2001年京都造形芸術大学卒業。2006年、日清カップヌードルとのCM、OVA連動企画『FREEDOM』のOVA監督に抜擢。2012年、『九十九』が第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門ならびにアヌシー国際アニメーション映画祭2012公式コンペに選出。同作品は米国アカデミー賞(第86回)短編アニメーション部門にノミネート。2014年から2015年にかけて、監督として『東京喰種トーキョーグール』に参加など。

■柏の葉アーバンデザインセンター アート&コミュニケーション ディレクター 小山田 裕彦氏
建築設計事務所の取締役に就いている傍ら、柏の葉スマートシティのUDCKをはじめ、愛・地球博のロボットプロジェクト、種子島宇宙芸術祭、出版、大学や高校での講師など各地でさまざまな未来プロジェクトの推進を手掛ける自称「やらかし隊長」。柏の葉キャンパスでは「えびせんさん」の愛称で親しまれている。

■統合クリエイティブセンター クリエイティブディレクター 戸川 進之介
アートディレクションをバックボーンに、シンプルかつ強いアイデアでブランディング、CM、GR、プロモーション、PR、話題化施策まで幅広い領域のコミュニケーション展開を得意とする。
朝日広告賞/毎日広告デザイン/ONESHOW/ADFEST/ニューヨークフェスティバル/2020/2017 クリエイティブ・オブ・ザ・イヤーファイナリスト/プランニング・ソリューションアワード/日本広告写真協会賞 など受賞多数

■統合クリエイティブセンター クリエイティブディレクター 大屋 翔平
クリエイティブディレクターとして、KASHIWA-NO-HA INNOVETION FES.2020より、実行委員会のディレクターとして、企画全般に携わる。戦略からアウトプットまでの一貫したデザインを手掛け、幅広い業種を担当。プロモーションやCMクリエイティブ、PR、商品開発、空間開発など自由な手口で、幅広くアウトプット。都市生活者や、スペースを起点にした研究開発も行っている。