YOMIKO STORIES
2024.12.24
Path for Community Creation〜コミュニティクリエイションへの道〜(4)デジタルテクノロジーを活用した、新しい価値創造の場を生み出す
YOMIKO独自の課題解決メソッドである「コミュニティクリエイション®」をどのように実践しているのか、4つの注力領域の担当者に、それぞれの実務の視点から語ってもらう「Path for Community Creation〜コミュニティクリエイションへの道〜」。
第4回は、デジタルコンサルティングセンターの立田真一郎と岡村明理の2人に話を聞きました。
デジタルテクノロジーを活用して「未来志向型経営」を実現
― 初めに、それぞれが担当する事業領域の説明をお願いします。
立田:デジタルコンサルティングセンターでは、「AI&ストラテジーグループ」「AI&データビジネスグループ」「AI&クリエイティブグループ」の3つの専門グループを有し、クライアントの事業成長を促進するコンサルティングを行っています。
先行き不透明な今の時代に求められる、真の課題発見からの市場創造・発見を実現するために、「未来志向型経営」というテーマを掲げ、普遍的なマーケティング知見と最新のデジタルマーケティング知見、AI知見をかけ合わせたアプローチを提案しています。
「未来志向型経営」には、未来「創造」「予測」「探索」という3つのキードライバーを提案しています。例えば、商品・サービスの未来の需要や売上の正確な予測や、あるいは、新しい技術の登場によって産業の論点どのように変化していくかなど、未来の事象に対して「創造」「予測」「探索」し、ともに未来に向かって伴走していくことが我々のミッションです。
岡村:私は「AI&データビジネスグループ」で、データサイエンスやデータエンジニアリング、データビジネスを推進するチームに所属しています。データを取り扱うため、主に「未来予測」に関する業務に取り組んでおり、クライアントの将来の売上を予測するAIモデル開発などが代表的な業務にあたります。
変化する社会の中で、企業と企業をつなぐことが重要性を増す
― 担当する事業領域でクライアントが抱えている課題を教えてください。
立田:企業が考えなければいけない事柄は、日々増え続けているように感じます。マーケティング領域では、生活者の情報収集や購買行動がデジタルとリアルの境界を越え多様化していますし、コーポレート領域でもサスティナビリティへの取り組みなど、マルチステークホルダー主義が重視されています。
さらに、産業の垣根を越えたビジネスも登場しました。コミュニケーションアプリを例に挙げると、初めはメッセージを交換する機能だけだったサービスが、キャッシュレス決済やポイント機能が付くなど、さまざまな領域に広がり経済圏を形成するようになりました。
これからの企業は、このような複雑な社会の変化の中で、従来の自社のビジネスの枠組みを越えて、付加価値のあるビジネスを創出していくことが求められています。
岡村:私も立田と同じく、社会の目まぐるしい変化が挙げられると思います。個人的には、特にAIの登場で、変化がさらに加速しているような感覚があります。
変化への対応はどの企業も意識していることだと思いますが、AI領域のスピード感は少し異質なものだと感じます。これまでのような業界の競合他社と比較した自社のスピード感ではなく、社会がAIに慣れていく速さに企業がついていかなければならないので、そこが課題になる企業が増えるのではないでしょうか。
また、そのような課題を持つ企業と、高い専門性を有する企業をつなぐといった取り組みは、今後さらに重要性を増すと思います。
課題を持つ企業とデジタルのプロの架け橋に
― 「コミュニティクリエイション®」につながる取り組みはありますか?
立田:現時点では、一つのプロジェクトに対してさまざまなステークホルダーを内包して推進する案件はありません。しかし、「コミュニティクリエイション®」を実現しようとする機運はあります。
デジタルコンサルティングセンターでも自社完結型のプロジェクトは以前と比べると少なくなってきており、関わる企業もコンサルティング会社、Sier、データベンダー、プラットフォーマー、データサイエンス会社など、多様な形に変化してきています。
今はまだ受発注のような関係性も多々あるのですが、先程述べた社会の変化を踏まえれば、今後はさまざまな企業と協働して課題を解決するという関係性にシフトしていくべきだと思います。
岡村:デジタル技術はどんどん細分化しているので、一口にデジタルと言っても、言葉が内包する領域は多岐にわたります。例えば、AIを作るとしたら、業務特性で生成AIか従来型AIか、また、データ分析重視かビジネスコンサル領域までカバーするかなど、目的に応じた専門性の違いがあります。
その全ての領域のプロになるというのは、YOMIKOだけの力ではいつか限界が来ると思うので、これからは、社外のプロとのネットワークを活かして企業の課題を解決していくような関係を築いていく必要性を感じています。デジタルコンサルティングセンターは、課題を持つ企業とデジタルのプロの架け橋となる存在を目指していきたいです。
デジタル領域で、従来にない形の協業の実現を目指して
― デジタルコンサルティングセンターが目指す「コミュニティクリエイション®」の実現に向けて必要なことは何でしょうか?
岡村:これまで、新しいパートナー会社との出会いを繰り返すなかで、強く意識するに至ったことは、それぞれの会社の個性を大切にするということです。価値基準やプロセス、スタンスといった、その会社の特徴を理解し、尊重することが最も重要だと感じます。
例えば、スピード重視の企業と品質重視の企業では、プロジェクトへのアプローチが全然違います。そういった違いを踏まえた上で、お互いの強みを引き出せるような、個性を前提とした、いわばマッチングの視点を持っています。
今後は、大手企業のリソースとベンチャー企業の柔軟性を組み合わせるなど、従来にない形の協業も実現できればと思います。
このように、多様な企業の個性をより深く理解することで、革新的なプロジェクトを生み出したいですし、テクノロジーを活用した新しい価値創造の場を提供したいと考えています。
立田:また、独裁的な構造になっていないか、フラットに意見を言い合える場になっているかなど、健全なコミュニティを運営するうえで、各ステークホルダーとの信頼を構築することが大切だと思います。
その上で、コミュニティが分散型自律組織として動いていく状態になっていることが理想。今は、そのようなコミュニティをつくるための体制づくりを進めているところです。
デジタル領域×「コミュニティクリエイション®」で広がる可能性
― 「コミュニティクリエイション®」で実現したい未来を教えてください。
立田:「スマートシティ」やスマートシティを実現する「都市OS」のようなプラットフォームなど、大きな街づくりの一端として、デジタルコンサルティングセンターのコミュニティクリエイション®」を機能させたいと考えています。
岡村:前述したスピードへの対応という観点から、より気軽に実証実験ができる仕組みづくりにつながる「コミュニティクリエイション®」を目指したいです。企業が何か作りたいと思ったら、テクノロジーの会社が作ってみましたとか、作ったものを早速どこかの街にテスト導入してみましたとか。
前段を検討する段階に時間を使うよりも、まずは作ってみて、それを試して、出た結果に対して新たなアクションを講じるといったサイクルを、スピーディーに回せる世の中になったらいいなと思います。
(写真右)立田 真一郎 デジタルコンサルティングセンター
(写真左)岡村 明理 デジタルコンサルティングセンター