YOMIKO STORIES
2019.04.26
生活者のショートムービー利用の拡大に伴うプロモーションの注意点とトレンド
スマートフォンの普及と通信環境の変化から、いつでもインターネットにアクセス出来、PCと同様のリッチなコンテンツを利用できるようになりました。
コンテンツのリッチが進む中、ソーシャルメディアのinstagramのstoriesに代表されるようなショートムービーの利用が生活者の中で一層拡大しています。
そしてインターネット広告では、閲覧者に短い時間で伝えられる情報が多い動画を使った広告が静止画に替わって増加傾向にあります。
そのため、数年前は静止画が多い中、動画が入ることで閲覧時の視線を集める事ができていましたが、今では色々な動画が溢れているため動画広告も埋もれてしまう状態になってしまいました。
また、ユーザーのWEB閲覧している時に目に入った情報を「要るもの」「要らないもの」に判断するスピードが上がり、これまでのTVCMのような作りの動画ではユーザーの興味を引けず、スキップされてしまったり、すぐスクロールして流されてしまうなど動画を最後まで視聴されにくくなっています。
そして、TVCMを流用した「横長」の画角のままで、スマートフォンの縦長画面に最適化させておらず、画面の広さを活かせていない動画広告もまだまだ散見されます。
動画広告は、ただスマートフォンの縦長画面に対応させるだけではなく、Facebook/Instagram、Twitterといった利用者が多いSNSや、Youtubeを代表とする動画閲覧サイトなどでユーザーに興味を持ってもらい、動画を最後まで見てもらうための工夫が必要です。
→冒頭に訴求したいものを持ってこないとすぐにスキップorスクロールされてしまい見てもらえない

→同じような場面が続くと(動きがないと)飽きられて最後まで閲覧されない

→スマートフォンからの接触する機会が多く、基本的に「音無し」で見られてしまう

そうした動画(広告)を見てもらうための工夫はクリエイティブの力以外にもデータに裏付けされた方法があり、そうした方法によって、よりパフォーマンスを伸ばすことが可能になります。
HDYグループでは、出稿した動画広告の実績をグループの知見として共有できる「動画クリエイティブプラナー」を開発しています。
インプレッション数、動画視聴完了率といった実績数値と合わせ、ブランドリフト調査などの結果も取り込み、成功するクリエイティブの傾向や、与件に合わせてどういった要素を含めた動画を作成すれば広告効果をより高める事ができるか示唆することが可能で、クリエイティブの最適な提案ができるツールです。
動画クリエイティブプラナーの開発はまだまだ続いており、動画広告の実績数値は動画クリエイティブプラナーに蓄積されていくため、今後、更に精度の高い提案が可能となっていく予定です。
現在急速にユーザー数を増やしているアプリ「tiktok」の伸長は着目すべきで、tiktokの登場が、静止画から動画の閲覧に変化したコミュニケーションから、動画の閲覧からさらにコミュニケーションの性質そのものを変化させてきており、それに伴って広告も「動画広告」から「動画コミュニケーション」へのシフトが起きてきています。
tiktokは2017年のリリース以降、2年弱で月間アクティブユーザー数900万人を突破し、15秒の縦型動画をスクロールで次々に閲覧する事ができ、ユーザーが投稿した動画を短時間に大量に視聴することができるインターフェースをしています。
また、動画の編集機能を豊富に持っていてスマートフォンのみで動画を加工できるなど、動画の投稿がしやすい設計で、投稿された動画を保存することも可能で、tiktokで作成した動画は他のSNSなどに投稿が行いやすくなっています。
そしてtiktokの大きな特徴としてユーザーの動画投稿率が高く、注目点として他のユーザーが投稿した動画をマネして動画を作成し、投稿するユーザーが多いことが挙げられます。
その、ユーザーがマネをする点を活かした「ハッシュタグチャレンジ」という施策があり、チャレンジ動画がtiktok内に配信されると、そのチャレンジ動画をマネした動画を多数のユーザーが投稿しはじめ動画が急速に拡散される施策です。
ユーザーは自分の動画がより目立つよう自主的に商品を購入して動画内で使用したり、自身のSNSにも投稿を行い、動画閲覧が主なユーザーは、動画をシェアしたり、保存した動画を複数まとめて1本の長編動画にしYoutubeなどにアップするなど、チャレンジ動画を起点に様々な場所に、様々なユーザーが作ったチャレンジ動画が広がっていきます。
そのため、これまでのSNSで投稿やいいね、シェアをしても自身のフォロアーとの共有までに留まっていたものが、自身のフォロアーやメディアを超えた拡散が見込ます。
弊社ではハッシュタグチャレンジを他社に先行して行った実績があり、より話題化と拡散を図れるご提案が可能な体制を持っています。

おわりに
Facebook/Instagram、Twitter、Youtubeといった成熟したメディアでの効果の高い手法がそのまま通用しないメディアが今後も現れてくると予想されるため、特に世界的なアプリの情勢は常にチェックし、いち早く実践してみることが重要です。

村上 寛
デジタル戦略推進部 プランナー
デジタル広告プランナーとしてプランニングを担当。 企業や案件ごとのマーケティング課題に沿って、デジタル広告を出稿する際のメディアの選定、出稿計画、SNSを利用した宣伝広告企画から出稿後のPDCAサイクルまで実施。